2019年の作品です。
花嫁様より
「結婚式を行うにあたり、リングピロー をずっと探していたところ、こちらの貝のリングピロー に一目惚れしました」
とオーダー下さいました。
参考にした色打掛
鮮やかなロイヤルブルーの色打掛には、相良刺繍が施されています。
相良刺繍とは
生地の裏から糸を抜き出して結び玉を作り、これを連ねて模様を描き出していく技法のことです。
別名を「玉縫い」とも呼ばれ、気の遠くなるような時間を要する、大変手間のかかる刺繍技法です。
写真でもその立体感が伝わりますね。
完成した貝合わせはこちら
青い貝合わせを制作するのは初めてのことで、新鮮でした。
打掛の柄に打ち出の小槌があったので、これは是非取り入れたいなと描きました。
クッションは「ふき」(打掛の裾の綿の入った部分)に合わせたお色にするとしっくりときます。
貝合わせは外側にも絵付け出来ます。両家のご家紋を描き入れました。
ご家紋のオーダーはこの時が初でした。
- 「丸に違い鷹の羽」
- 「丸に五三桐」
です。
蛤の天然の縞模様はとても美しいので、それを生かすように家紋を描きました。
かつては婚礼調度であった貝合わせを、現代の和婚の必須アイテム・和風リングピローとして。
江戸時代には武家や公家の姫君の婚礼調度であった貝合わせ。
「花嫁の貝合わせ」は、現代らしく、リングピローとしてお使いいただける貝合わせです。
式後も花嫁衣装を形を変えて手元に残しておきたい、という花嫁様や、そのお母様よりオーダーいただいております。